切ない状況説明文24題 (1〜6) 1・君を愛している、故に僕は君に嘘を吐く 2・君に通じる唯一の空を見上げる(ルキ一) 憎らしいくらいの青い空だ。 目の前には、眩いばかりのオレンジ色。 炎纏う大きな鳥が、私を眼前に見据えている。 彼の髪もこんな燃える様な色をしていた。 彼の瞳もこんな風に私を見つめていた。 ―――否、もっと。 より鋭く。より美しく。彼の、方が。 彼の全てが、真っ直ぐに私を射抜きこの身を焦がす。 その痛みに比べたら、こんな鳥如きに貫き焼かれる事の何が怖いものか。 ああ、そしてやはり彼の方がこんな空にはより映えるのだ。 青空に、オレンジ色。 目に沁みる。一粒だけ、涙が落ちた。 3・星芒に晒されて眠る時(やち一) ころりと横になって夜空を見上げる。 大好きな人と見る満天の星空はとても綺麗。 きらりと一瞬光った、あれはもしかして流れ星? 願い事は言えなかった。横を見れば、キラキラした橙色。 だからあたしは。 「ねえいっちー、ずぅーっとね、 一緒にいて一緒にいて一緒にいて!」 あたしの箒星、願いは叶いますか。 静かな寝息が聞こえたので、それを肯と取ることにした。 4・幸せだった、例え、それが幻であっても 5・海に沈み、砂に埋もれる 6・近付きたい、近付けない、このジレンマに気づいている(浮一) 彼は、ご両親にこう教わらなかっただろうか。 飴を貰っても、知らない人にはついていってはいけないよ。 「やあ、一護くん」 いやいや、駄目だ。 「あれ、えっと…浮竹さん、こんにちは」 ああ、いけない。そんな無防備に近付いてきては。 だって君は知らないんだ。俺がどんなに君に焦がれているのかを。 欲しいものは、一度手にしたら俺はその手を離す事はしないのに。 誰か他の人に俺が優しい人間だとでも聞いたのかい。勘違いだ。 今だって、君をどうしてしまおうかそればかり考えているよ。 だから俺からは近付かないようにしていたのに。 ―ああけれど、欲しいものは欲しいんだ。 「一護くん、飴をあげよう」 さぁ手をお出しよ。 近付いてくるのは、他ならぬ君自身だ。 |
2006.9.3(2,3) 9.14(6) sakuto kamunabi BLEACH TOP